[54] 食べない人たち──「不食」が人を健康にする/秋山佳胤、森美智代、山田鷹夫(マキノ出版)

 もし、あなたが誰かから「人は食べなくても生きることができるんだよ」と言われたら、どう思いますか?

 たぶん「ばかなことを言うなよ。食べなかったら、餓死しちゃうだろ」と思う人がほとんどでしょう。共著者の一人、山田氏も当初、食べない実験を開始した時は「実をいうと、なぜこんな無謀なことを始めたのか、自分でもよくわかりません」と、次のように述べています。
「人は食べなければ飢えて死ぬと誰もが考えます。それは生命原理の根本・根幹にかかわる法則であり、その正反対の立場である私の不食の実験は、社会の常識からすれば、狂気の沙汰としかいいようがありません」

 

 ところが驚くべきことに、彼は約100日間にわたる「不食」の実践によって、それが可能であることを自らの体で証明してしまったのです。
 それにしても、そんなことが本当に可能なのでしょうか。もう一人の著者である秋山氏は、次のように述べています。
「不食は、もうめずらしいことではありません。2010年にはヨーロッパだけで、その数は4万人にも上るといいます。現在では10万人ぐらいになっていると思います」
 これほど多くの人たちが、数年〜十数年も全く食べないで生きているという事実は驚くべきことです。

 

 では、どうすれば人は食べないで生きることができるようになるのでしょうか。
「要するに、不食とは『慣れ』です。少食をすでに習慣としている人は、この意味がよくわかると思います。食べるものをどんどん減らしていくと、本当に体は食べないことに慣れていくのです。そして、食べる量を少しずつ減らし続けて、それに体がどんどん慣れていくと、最終的にたどり着くのが不食です。それだけのことです」(山田氏)
 私はもともと少食タイプなので、時々、1日1食になる場合もあります。それでも、さほど苦にならないのは、長い間、少食に慣れているからだと思います。それに体の調子もよくなり、体全体が軽くなります。そうはいっても、そのまま食べる量を減らし続けて、不食までたどり着こうなどとは、全く考えたことはありません。

 

 それにしても、彼らはなぜ食物を摂取しなくても生きていられるのでしょうか。
「人間に不食が可能だとしたら、それは宇宙に無限に満ちているエネルギーを直接に摂取できるからではないでしょうか。この宇宙に満ちているエネルギーこそ、プラーナなのです」(山田氏)
 にわかには信じがたい話かもしれませんが、彼らによれば、摂取するエネルギーは、食物からだけではないのです。プラーナというエネルギーでも可能だというのです。そういえば、毎日、朝日(太陽光線)を凝視するだけで、食物をいっさい口にしない不食者もいるようです。
「不食というのは、厳密にいえば何も食べないことではなく、物質的な食物の代わりに、大気中のエネルギーであるプラーナ(気)を摂っているのです。したがって、物質的な食物からわざわざエネルギーを摂取しなくても、天地に満ちているおおもとのエネルギーであるプラーナを摂るだけで、人間は生きることができるのです」

 

 いずれにしても、現代栄養学では説明できない事例が出てきている以上、今後、遺伝子学や分子生物学による科学的研究が行なわれるようになるでしょう。科学の新発見は、例外事例の研究から生まれるのだと思います。
 不食に成功した人は、皆3年〜10年かけて体を徐々に慣らしていったようです。最初は1日1食をめざして、少しずつ減食していったといいます。ひょっとしたら、少食が習慣化してから、さらに不食へと進むなかで、食物以外のエネルギー源(プラーナや太陽光線)を効率よく吸収できる未知の遺伝子にスイッチが入ったのかもしれませんね (^-^*)

 

【おすすめ度 ★★★】(5つ星評価)



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