[48] 病は心で治す──健康と心をめぐる驚くべき真実/リサ・ランキン(河出書房新社)

 私は、以前から生活習慣と病気の関係について、どうしても腑に落ちないことがありました。

 なぜ、タバコを吸い、酒を飲み、めったに運動もせず、肉が好きで、とくに食事に気をつけているいわけでもないのに、病気もせずに元気で長生きしている人がいるのか。
 その一方で、有機野菜を食べ、肉や加工食品を避け、毎日運動をしているにもかかわらず、病気になり長生きできない人がいるのか。
 もちろん、前者のような人よりも、食事や生活習慣に気をつけて生活している人のほうが、健康で長生きする確率が高いことは確かです。
 しかし、私の周りには、前者のように生活しながらも、病気ひとつせず、元気で長生きしている友人がいることも事実です。なぜでしょうか。

 

 そんな疑問を持っていた矢先に出会ったのがこの本です。著者のリサ・ランキンは次のように言っています。
「私は純粋に肉体的、生化学的な領域(食事や運動や毒物の回避などによる肯定的な影響によって恩恵を受ける部分)は、健康をもたらす方程式の一部分でしかないと信じるにいたった。もちろん、それらは大きな部分であるが、構造全体ではないのだ」
 つまり、彼女は体に注意を払うことは、健康にとって最重要事項ではない、他にもっと重要な要素があると言っています。いったい、それはどんな要素なのでしょうか。
「多くの患者を診た経験から、病気になるか健康を保つか、自分で自分を癒すか病気のままでいるかは、どれほど『健康にいい』ことをするかよりも、患者の人生で起こっているありとあらゆることに影響される部分が大きいのだろうと、私は信じるようになった」

 

 ここで述べている「患者の人生で起こっているありとあらゆること」とは、いったい何を指すのでしょうか。
 彼女は、次のように述べています
「彼らが健康を害したのは、遺伝子や生活習慣に問題があったからではなく、人間関係の軋轢による苦しみや、仕事のストレスや、金銭問題によるパニックや、ひどい抑うつのせいでした。否定的な感情が心を満たし、ストレスホルモンが体をめぐっている状態では、採食もどんなサプリメントも運動も、体に有害な影響を及ぼすストレス反応には適わなかったのだ」
 だから著者は、食事や運動以上に心の在り方こそが、もっとも重要な要素だと述べています。
「病気から回復した人は、薬やサプリメントではなく、生きるうえでのストレスを減らして心と体をリラックスさせ、夢を追い、愛を見つけて、健康をうながすホルモンを体に満たし、有害なストレスホルモンを除いたからだった。彼らは愛と笑いとやりがいのある仕事に恵まれ、金銭的な問題はなく、創造性を発揮し、性的に満足し、円満な人間関係を楽しんでいる」

 

 そういえば、歌手の加山雄三(77歳)が、「俺は好きな音楽をやって、好きな友人たちと一緒に仕事をしているから、年も取らないし、病気にもならない。夢は80歳までに7つの海を制覇することだ」と言っていましたが、なるほど彼はストレス反応とは無縁の人だと思いました。

 

【おすすめ度 ★★★★】(5つ星評価)



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