[46] がんが自然に治る生き方/ケリー・ターナー(プレジデント社)

 若い頃は、それほど気にはならなかったのですが、最近、親戚や友人ががんになったという話を聞くと「他人事ではない」と思うようになりました。「日本人の2人に1人ががんになっている」というデータを見ると、なおさらのことです。

 しかし、がんは高齢者の病気というイメージを持つ人が多いようですが、じつは40代、50代の働き盛りで発症するケースも少なくありません。がんと診断される人は、45歳から急に増えはじめ、50歳〜70歳にかけて上昇し続けているのです。ましてや「3人に1人ががんで死亡している」のですから、不安にならざるを得ません。「明日は我が身」と考えたほうがいいのかも知れません。

 

 本書は、末期がんから生還した寺山心一翁氏から「いい本ですので、ぜひ読んでみてください」と薦められた本です。
 著者のケリー・ターナーは、なぜ末期がん患者の中で、手遅れとされながらも奇跡的に治癒してしまう人がいるのか。また、こうした人たちは、いったい何をしていたのか。それらの疑問を解くために彼女は、がんが劇的に寛解した1000件以上の症例報告論文を徹底的に分析したのです。また、1年かけて世界10カ国へ出かけ、奇跡的な生還を遂げたがん患者を対象に、治癒にいたる過程についてのインタビューを行ないました。
 その結果、劇的寛解の経験者たちには、共通して実行していたことがありました。彼らは、どんなことを実践していたのでしょうか。著者は次のように述べています。
「私が話を聞いた劇的寛解の経験者はほぼ全員が、程度の差はあれ次の9項目ほぼすべてを実践していたのです。
 @抜本的に食事を変える。A治療法は自分で決める。B直感に従う。Cハーブとサプリメントの力を借りる。D抑圧された感情を解き放つ。Eより前向きに生きる。F周囲の人の支えを受け入れる。G自分の魂と深くつながる。H『どうしても生きたい理由』を持つ、の9項目でした」
 いままで西洋医学では「例外事象」の患者だと片づけられていた人たちは、共通して以上の9項目を実践していたのです。がんの自然治癒は、決して偶然の「奇跡」などではなく根拠のある事例だったのです。
 また彼女は、これらの9項目のうち、身体にかかわることがたった2つしかなかったことに驚いています。研究に着手した頃は、身体を使った実践項目がたくさんあがってくるだろうと予想していたからです。食事を変える、サプリメントを取る、運動をする(末期がんの場合、ある程度回復してからでないと困難)といったことです。ところがインタビューを重ねるほど、精神や感情、魂の癒しといったことを多くの人が口にしていたのです。

 

 あとがきで、著者は次のように語っています。少し長くなりますが、引用させていただきます。
「がんから異例の治癒を遂げた人々の体験から、私たちは、人間の持っている自己治癒力がいかに奥深いかを知ることができます。ステージ4のがんから、抗がん剤も放射線治療も、手術さえ受けずに回復を遂げた人が存在する。その事実を知るだけで、私は、人間が備えている信じがたいほどの潜在力に畏敬の念を抱きます。私がこの本で伝えたかったことは、たった一つ。エンパワーメント、つまり一人ひとりが生きる力を自らのうちから引き出してほしいということです」

 

【おすすめ度 ★★★★★】(5つ星評価)



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