[2] 「原因」と「結果」の法則──「引き寄せの法則」の先駆者/ジェームズ・アレン(サンマーク出版)

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 今回は本の内容というよりも、著者の享年にまつわるちょっとした疑問について述べてみたいと思います。

「引き寄せの法則」の先駆者といわれるジェームズ・アレン(著者)は48歳という若さで亡くなっておりますが、いくら調べてもその死因がわかりません。彼の妻であるリリーに聞けばわかるのですが、100年も前のことですから、彼女はもちろん生存はしておりませんので真相は未だに不明です。
 記録が残っていないのではっきりしたことは言えませんが、たぶん病死だと思われます。いずれにしても、彼が若くして病死したとしたならば、本の中で書かれている内容と「矛盾」が出てきます。
 彼は本の中で「自分の心を強化し、浄化した人間は、そのときから、もはや病気とは無縁となります」と言い、「きれいな心からはきれいな肉体が生まれる」ことを盛んに強調しておりました。
 妻のリリーが、「夫が人々に伝えたいメッセージは、彼自身が人生の中で実際に試してみて良いものであることを確認したものだけでした」と語っているように、ジェームズ・アレンは誠実な人であり自分の体験を正直に書いていると思います。
 誤解しないで欲しいのですが、私は若くして亡くなること自体が悪いと言っているわけではありません。彼のように、太く短く生きて偉大な業績を残した人は歴史上たくさんいます。
 にもかかわらず、私は職業柄、なぜか気になってしまうのです。というのも、ガン治療の本を書いてる先生がガンで亡くなったり、自分の子供がグレて犯罪を犯したという教育評論家などを数多く見てきているので、本は著者の「理想・願望」を書いている場合もあるからです。
 ちょっと不謹慎な例えかも知れませんが、ベストセラー『長生き健康法』の著者で知られる南雲吉則氏が突然、病死するようなものです。彼が今まで書いてきたことは何だったのか、疑問を持つ読者が出てきても不思議ではありません。アレンの場合は、そんなことはないと確信していますので、何か理由があるはずだと思います。それで彼の死因が気になってしまったというわけです。

 

 私は20代の頃、SE(スピリチュアル・エマージェンシー)に陥った時に、不思議な体験をしました。比喩的に言いますと、1カ月間、死ぬほどの苦みの中でのたうち回ったあと、暗黒の世界から光の世界に抜けていくビジョンを見ました。その後、次第に意識がはっきりしてきたのですが、驚いたことに長い間患っていた重度の痔瘻が跡形もなく、すっかり消えていたのです。心の変化が身体に与える影響がいかに凄いものかということを、そのとき初めて知りました。
 こんなことを話すのは非常に恥ずかしいことですが、私が「心と病気」の問題にこだわっている理由を知ってもらいたくて、敢えてお話しました。

 

 アレンは自分ではこの本の内容に満足していなかったようで、出版するのをためらっていました。理由は分かりませんが、妻が粘り強く説得して出版することになったといいます。おそらく、彼はこの法則が真理であることを確信していましたが、その世界を言葉で表現するには限界があり、真意が伝わるかどうか不安を抱いていたのでしょう。

 

 自分より上の階段に登っている人から見える景色は、下の階段にいる人には見えません。上に登ったときに初めて見える景色があります。上からは見えるが下からは見えない。きっとアレンは私には見えない地点から語っていたのかも知れません。
 高次の次元は、その中に入り直接体験するしか知る方法はありません。低次の次元空間からは、高次元世界は知ることも理解することもできないと思います。
 聖者ラマナ・マハリシが「あなたの病気を代わってさしあげたいです」と言った弟子に対し、「一体誰のカルマを背負って私が病気になったと思っているのかね」と笑われたそうです。
 今の私にとって、心がどのようにして身体に影響をもたらすのか、また心と身体の関係など、分からないことだらけです。

 

【おすすめ度 ★★★】(5つ星評価)



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