[15] 宇宙瞑想──スーパー・メディテーターとの対話/横尾忠則対談集(平河出版社)

 先日、本棚を整理していたら、懐かしい本が出てきました。30年前に刊行された本で、グラフィック・デザイナーの横尾忠則対談集です。

 この本は、雑誌『ザ・メディテーション』(1977〜1979)に連載されていたものです。横尾氏に 「いま日本で一番会いたい人は誰ですか」 と尋ねたところ、以下の10人の方々の名前が挙がってきました。
 今回の本は私が編集を担当したので、手前味噌の書評になるでしょうから、対談相手の方々の言葉をそのまま一部抜粋して載せることにしました。
 読み返してみて、30年経ったいまでも耳を傾ける価値のあるメッセージだと思います。

 

手塚治虫(漫画家)
「ぼくは神っていうのはすごく面白い存在だと思う。神っていうのは天国でしょう。つまり、その時点からやはり上から見てる。絶対に地上にいて見ないわけ。だから、そういう意味じゃ宇宙飛行士と非常に似てるわけです。やはり次の悟りを開く人というのは、まず天上で開くんじゃないかと」
加藤唐九郎(陶芸作家)
「いい作品を残しておこうと思ったら、欲や迷いがあったらできない。思いきってぱっぱっと感じの悪いやつは割って捨てるだけの欲のない考えでいかなくちゃだめだ。でもなかなか割れないですよ。けれども、そこを思い切って割ることの気持ちがないと、いいものは残らないですね」
岡本太郎(画家)
「メディテーションというと普通は、静かに想念を深めることを考えるだろう。だけどぼくのは逆だね。もっと、爆発する、命を無条件におし開いていくことが、ぼくにとってメディテーションなんだ。無条件にね」
島尾敏雄(作家)
「私は戦時中、変な部隊(特攻隊)におりましたので、いつ命令がきても出て行かなくちゃいけない。だから、何でもないことだけどちょっと嫌なことがあると、まだ生きているんだけども、すぐ死んだふりをしたくなっちゃう。あのとき何か強いショックを受けていたんでしょうね」
山手国弘(ヨガ実践家)
「私は本格的にクンダリニー・ヨガをやっているうちに、発電して尾てい骨が焦げてしまったんです。ここだけエネルギーが集中してしまった。最初は蟻がはうような感覚がありました。放射状に電気が走る感じですね。そのうち、だんだん熱くなり始め、1週間後には灼熱状態です」
木村裕昭(医学博士)
「ぎりぎりの状態に追い込まれたときに、過去の習慣とか古い観念というものが通用しなくなる。顕在意識という自分のわずかな経験とか、テクニックでは現状を止められないときに、その波長が静まるわけです。そういうときに初めて本来の力が発揮されるということです」
桐山靖雄(宗教家)
「メディテーションの状態というのは、自分が呼吸しているんじゃなしに、宇宙の呼吸の中に自分の呼吸が一つに合体した感じ。そのときには、自分が呼吸してるんか、宇宙が呼吸してるんか不則不離の関係になる」
岩淵亮順(禅僧)
「食べ物による運勢というのは、自分がそれとわかれば、自分の力で変えることができるわけです。摂取するものによって、運勢を変えちゃうことですからね」

川島四郎(農学博士)
「健康に生きるということは、つまり人間が、やっぱり自然を理解しないとだめですね。自然を理解して、自分が自然の一部であるということの認識でしょうね」
今西錦司(生物学者)
「現代文明ちゅうても、要するに科学者が実験室で作っとる文明ですわな。そういう人は自然というものをちっとも見てへんですよ」

 

 巻末の「あとがき」で横尾氏が、これら10人の方々に会いたいという動機が述べられています。
横尾忠則(グラフィック・デザイナー)
「精神世界の問題をカルチャーとしてとらえる以前に、ぼくの心は病んでいた。ぼくが『メディテーション』で始めたインタビューは、ごく私的な問題から出発した。それはまるで精神科の医師にカウンセリングを受ける患者と大差なかった。また、このインタビューはカウンセリングと共に、ぼく自身の導師(グル)を求めながら彷徨する求道の旅でもあった」

 

【おすすめ度 ★★★】(5つ星評価)



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